ユネスコのスー・ウィリアム(Sue Williams)広報官は
「今回の投票はユネスコが定める世界遺産選定とは
異なる基準と目的にもとづき行われた。
ユネスコのもつ大きな視野とは相容れない」とコメントした。
同じくユネスコのクリスチャン・マンハート
(Christian Manhart)氏も、「選ばれなかった候補地の
国々に否定的なメッセージを送ることになる。候補地の
すべてに選ばれる価値があったのは明らかだ。
それがたった7か所に絞られてしまったことがまちがい」と
投票を批判。
「古代には七不思議で足りたのは、当時の世界が
地中海周辺地域に限られていて、今よりずっと小さ
かったからだ」
古代のから言い伝えられた世界七不思議のなかで
唯一現存するギザ(Giza)のピラミッドがあるエジプトも、
新しい七不思議には否定的だ。
エジプト考古最高評議会のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)
事務局長は「世界に唯一残る、真の七不思議のプラミッドの
価値がこの投票で損なわれるわけではない。
歴史を記すのは人々の寄せ集めではない。
今回の投票に価値はない」と言い切った。
■選出された「新七不思議」
今年1月、スイスの民間財団が「新世界七不思議」の投票を組織、
1億人近くがインターネットや電話で投票に参加した。
その結果、中国の万里の長城(The Great Wall)
、
ヨルダンのペトラ遺跡(The pink ruins of Petra)
、
ブラジル・リオデジャネイロのキリスト像
(The statue of Christ the Redeemer)、
ペルーのマチュピチュ遺跡(The Incan ruins of Machu Picchu)、
メキシコ・チチェンイツァのピラミッド
(The ancient Mayan city of Chichen Itza)、
イタリア・ローマのコロシアム(The Coliseum)
、
インドのタージマハル(The Taj Mahal)の7つが選ばれた。
最終候補まで残りながら落選したのは、
ギリシャ・アテネのアクロポリス(Acropolis)、
パリのエッフェル塔(Eiffel Tower)、
イースター島(Easter Island)のモアイ(Moai)像、
英国のストーンヘンジ(Stonehenge)、
スペインのアルハンブラ宮殿(Alhambra palace)、
カンボジアのアンコールワット(Angkor Wat)、
ニューヨークの自由の女神(The Statue of Liberty)。
■動機はバーミヤーンの破壊と再建
今回の投票を最初に提案したのはスイスの映画監督で
博物館学芸員のバーナード・ウェーバー(Bernard Weber)氏。
アフガニスタンのバーミヤーン(Bamiyan)で2001年、
当時のタリバン(Taliban)政権が仏像を破壊した事実に衝撃を受け、
新世界七不思議の選定を思い立ったという。
7日に行われた発表式典の収益金の一部は、
このバーミヤン仏像の再建に充てる予定だ。
しかしユネスコはバーミヤーンの仏像再建にも
反対だとマンハート氏は表明。破壊された仏像の一部がまだ
現地の石窟の中に残っており、「ここに新しい仏像を建てれば、
もともとあった仏像を否定することになる」という。
さらにイスラム教徒が多いアフガニスタンで、
これから仏教の「偶像」を建設するのは難しいだろうとも指摘。
「ウィーバー氏はアフガニスタン政府から許可を得たわけではない。
権限がなければ何もできない」(AFP)

